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 「バロン吉元画俠伝」トークイベント

3月21日「(金)19時~21時20分

突然の告知にもかかわらず、大勢のお客様にお越しいただき本当にありがとうございました!

出席:バロン吉元 山田参助 エ☆ミリー吉元
司会:トーチ編集部 中川敦 氏



中川氏

「今回の画俠伝を簡単にお話しすると、とても珍しい一冊です。
よく言われるんですよ。これで3000円は安いんじゃないかと。
みんなの頑張りが集まっている一冊なんです。
という所から、始めたいと思うんですが・・・



エ☆ミリー

「参助先生との出会いは凄く印象的で、漫協のパーティの時に、父が毎年、
ロボたこ踊り~ロボットとたこ踊りを合わせたダンスを、帝国ホテルの壇上で踊っているのですが、
ちょうどその踊りきった、ナチュラルハイ状態の時に、物凄い速さでいらっしゃったおじさまがいらして、
びっくりしてる間に、写真を撮り、風のようにいなくなってしまった人が参助先生だったのです」

参助先生

「僕は70年代劇画を伝えるのにバロン作品はうってつけだと思いました。
ちょうど、劇画の良い所と、ハードな部分と、マンガの柔らかい部分が巧みにブレンドされている。
バロン先生のルーツとして、戦前の絵物語や大正ロマンの美人画などのティストが
巧みにされていて、バロン節という画風を確立されていらっしゃる。」



バロン先生

「ありがたくて、涙が出ました。もともと涙目なんだけどね。本当にありがとう。
中川さんの編集と、参助さんの編纂、エミリ―の段ボールをひっくり返してその中から選んだ絵なんだけれど、
それをさらに参助さんと中川さんが見て、3人の苦労がね、ものすごい徹夜を重ねて、これは大変だなって・・・ 
本人が一番感動しています。間違いなく。この井上さんのデザインも素晴らしいですね。」

中川氏

「画集ですけれど、山田さんとエミリさんで、
どの絵をどの順番で見せるかという事で、基準になったのは何ですか・・」・」



バロン先生

「ちなみに私はいっさいタッチしていません」

参助先生

「僕の基準は圧倒的に顔がいいこと。」

エ☆ミリー

「構図がバシーと決まってるので参助先生に見せたら
顔が決まってないからダメーッって。顔論争がありましたね。」

参助先生

「僕の基準ではそうです。顔、次に構図。一枚絵を眺める時に、
何分間、何秒間ながめているかということを、私は考えがちです。
ここでいっちょ、バロンマンガの物語作りにいきましょうか。
画俠伝が出たのでバロン劇画がリイド社のトーチって言う所で読めるようになっているんですけれど
電脳マボって言う所でも、17歳シリーズが読めるようになっていて、
トーチの方では、賭博師シリーズがセレクトされていて、
皆さんにもトーチの中のシリーズを読んで頂きたいのですが
まだのっけてない作品で、凄い気になるのがあって
「パチンコ先生」っていうのですが、それが凄いフシギなんですよ。
ある、九州の田舎町に、ちょっと若山富三郎似のやさぐれた中年男が
小学校の教師として赴任してくるんですね。
とにかくパチンコが好きなんですよ。
気の利く男で、村のコミュニティにも生徒にも慕われ
女にもそこそこモテている男なんですけれど、
パチンコ屋とトラブルになって、ケンカの結果、パチンコ屋がつぶれてしまうんです・
パチンコ屋がつぶれてしまうと、先生は、その理由で、その土地を捨てて去るんです。
汽車の中で涙を流しているんです。
でもその涙は、生徒たちごめんよっていう涙じゃなくて
パチンコがもうできないっていう涙なんです。

バロン先生

「ホントかね! そんな話初めて聞いたよ!描いたおぼえないねぇ。」」

参助先生

「それで、バロン先生、続編が、パチンコ先生こんにちはっていう続編があるんです。

バロン先生

「ホントにっ?」

参助先生

「画俠伝の中にもその絵がセレクトされていて、
続編になるとさらに、パチンコ先生のビジュアルが若山富三郎に近づいていくんです。」

バロン先生

「まいったね~俺も読んでみよう。」



バロン先生

「けっこう、俺はカッコつけてたんですよ。」

エ☆ミリー

「去年開催しました『バロン吉元の脈脈脈』で、都築響一さんとのトークの時に
作務衣を着た老人の話になりまして、その時に都築恭一さんは
『作務衣を着た老人は枯れていると、
煩悩や族念には自分たちの方向が向いていないということを示すために作務衣を着ている』と仰ったら
父はそれを全否定して、
作務衣を着た老人ほど、色気に狂っているやつはいないと。」

参助先生

「僕その分類は、作務衣を着て後ろ毛をくくっているかいないかと。」

中川氏

「お二人で絵を選んでいる時に、もめたとかそういう話あるんですかね。意見が対立したとか」

エ☆ミリー

「萌えたとか思ったけれど、もめたのはないですよね。」

参助先生

「敗者復活戦で、何回も何回も戻ってくるのが。

エ☆ミリー

「普通データー化した画像でセレクトするのが一般的なんですけれど
今回は、全部、生原稿から、段ボールひっくり返したというのは本当で
実物を見て選んでいくという事に、徹しました。
初めて段ボールの原稿を見たときに、凄い絵を描いているという感動の気持ちと同時に
ぼろぼろになっているという悲しさが同時にくるんですよね。
そのショックが発端となって、この企画が。」

参助先生

「この画俠伝にのった作品群を展覧会とかで皆さんに見てもらいたいという事も考えておられるんですか。」

エ☆ミリー

「したいですよね。」

参助先生

「また、生でみると違うんですよね。マンガを描く人は分かると思うんですが
原稿用紙の、内枠サイズと断ち切りサイズ、があるんですが
バロン先生の原稿を見ると、断ち切り枠が内枠になっているんです。でかいんですよね。」

エ☆ミリー

「今回初めて知ったことがあります。
画俠伝の付録に別冊がついているのですが、
足立守正さんが、座談会をしてくださって、
参助先生と中川さんと父を囲んだ座談会が載っているんですけれど
そこでの新事実、ネーム描いてなかったっていうのが、びっくりしました。
ネームって書くもんだとおもってましたので」

中川氏

「ネームを描かないというのは、大変珍しいことで、
だいたいマンガは構成、ネーム、下書き、ペン入れをして完成となるんですけれど
それを吹っ飛ばして、いきなり~

バロン先生

「いきなり原稿用紙に描いてしまう。」

参助先生

「頭の中にオチまでできていると、おっしゃってましたね。」

バロン先生

「これは嘘じゃないからね。

エ☆ミリー

「神保町のマンガに特化した古本屋さんに、大御所のマンガ家の先生のネームが
額に入って凄い値段で売られていただんですよ。
ネームってお金になるんだって思って、父にその時、ネームってない?って聞いたら
ネームなんてないよ、って言われて。」



参助先生

「バロン先生のキャラクターのファッションについてお聞きしたいのですが」

バロン先生

「長沢セツという、先生に習っていたんだけど、
自分でデザイナーになったつもりで、ヒロインのカッコよさを表現したり、長沢セツ先生の影響だと思います。」

参助先生

「たとえばこの和服の駒子ちゃんですと半衿が濃い色。」

バロン先生

「コスチュームデッサンをした時に、シワの付け方で、人物がどういう格好をしているか、
人物の曲線というのを、学ぶ事ができたんですよ。
やっぱりね、コスチュームを着た実際の人物をささっとスケッチするくらいでないと、
スピードにかかわってくるんだけど、ね。それをさらさらと描けるようになって。」

参助先生

「そうとう、反射的に描いてるみたいな、」

バロン先生

「それくらいのスピードがありましたね。

参助先生

「今見ると、こういう細かいところを描いているんだなというよりも
けっこう反射的にやってるなぁと思われるんですか。」

バロン先生

「ハイ」

参助先生

「それはそれでまた新たな謎が。バロン山脈でかいなぁ。」

バロン先生

「実際にそこにいる人を描くというのは一番ためになるんだけど、
それがね、だんだん見なくても描けるようになる、想像の中でね、
そうすると早いんだよ。下絵を描かなくても筆でサッサとね描いちゃう。
最初の頃、私の原稿はホワイトひとつ無いんだよ。
で、読者プレゼントに原稿を読者に差し上げたとき、その読者が返してきたんですよ。
これは原稿じゃないと、コピーだとかね、指摘を受けてびっくりしたんですよ。
それからです、わざとホワイトをつけるようになったのは。ホントにね、お笑いだよ。」



バロン先生

「この画侠伝っていうタイトルをつけたのは、中川さんだよね。
これは実に素晴らしいタイトルが生まれたなと思ってね。
これ決まったなぁ。響きもいいしね。

エ☆ミリー

「付録が凄いですよね。付録が13個もついてる画集だなんて、
それに歌もついていて、ないですよね~
なるべくバロン吉元を知らない、若い人たちに読んでもらおうと、単価を安くしようと言っているのに、
付録を増やすって、矛盾する中川さんの提案がずっと続いていて、
中川さんのふろく愛が凄くて、それに歌まで!
歌のふろくが凄いんですよ!

中川氏

「寄稿してくださった方々も凄いですよね。」

エ☆ミリー

「私一番緊張したのは、前田日明さんでした。
あとは、ジブリの鈴木敏夫さんが、作務衣で迎えてくださって。」

参助先生

「鈴木敏夫さんが、柔侠伝のファンだそうですね。」

エ☆ミリー

『寝室に唯一あるマンガが柔侠伝だと。5月に放送があります。
『ジブリ汗まみれ』というラジオ放送で、画侠伝を取り上げてくださいます。」



参助先生

「たぶん、最初は、劇画を定着させたい、というのがあったんですけれど、
そういうカンタンな思惑をどんどんと越えていって稀有な本になったのではないかと思います。
では、そろそろとお歌を歌わせて頂こうかと。
バロン先生、どうもありがとうございました。
まだまだ制作も続いております。
ライブペインティングもしている所を皆さんに公開するところもございますので
ぜひ皆さま、バロン先生の絵を描く姿を見に来てください。」

バロン先生

「俺は、ライブペインティングってなかなか言えなくてね、
ライブペッティングって言っちゃうんだよ。
言いづらいんだよね。ペインっていうのがね。なんか痛そうで。
ライブペッティングって言っちゃうね。
なんかおかしいな。この頃はね、ライブドローイングってちゃんと言えるよ。
ペインティングとペッティングを・・・」

エ☆ミリー

「恥ずかしい恥ずかしい。。。」

参助先生

「中川さんなんとかしてください。」

バロン先生

「なんか笑われてしまってどうもすみません。

皆さんありがとうございました!


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トークショーのあとには、画集の付録として封入りされている、


泊・山田参助先生×ケバブ・ジョンソンさんによる生演奏がありました!


揺濫行~画俠伝のテーマ









踊りだすバロン先生





コーラス隊の皆さまも!



バロン先生のロボたこ踊り



最後には画俠伝大合唱となりました!!!





e終了後の皆様との記念撮影 (許可を頂いています)











e終了後、画集にサインをするバロン先生





皆さま、本当にありがとうございました!