バロン吉元「柔侠伝」の新装・新編集版が、本日2月15日に上下巻で発売された。
「柔侠伝」は日露戦争の勝利祝賀にわきかえる明治38年6月、“打倒・講道館柔道”という父の遺訓を胸に
上京した19歳の柔術家・柳勘九郎を描く物語だ。
バロン吉元の画業60周年を記念した今回の新装版では、雑誌掲載時のカラーを再現。
描き下ろしを含むカラーイラスト10点や墨絵4点、かわぐちかいじ氏や竹宮恵子氏ら13名による解題も収録している。
連載をリアルタイムで読んでいたというスタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫は、
「自分の生きるスタンスをどこに置くべきか悩んだ時期に『柔侠伝』に描かれている生き方が大きなヒントになりました」とコメントを寄せた。
なお東京・弥生美術館では、3月31日までバロン吉元の企画展「画業60年還暦祭 バロン吉元☆元年」を開催中。
「自分のベッドの傍に置いてある本の中で、漫画はバロンさんの作品だけです。
自分の生きるスタンスをどこに置くべきか悩んだ時期に『柔侠伝』に描かれている生き方が大きなヒントになりました。
ヤクザも学生も夜の女たちも、皆が同じ空気を吸っている。世界が分断されていない。
その中で主人公が見せるリアルな明るさというのは、『前向き』というのとは違って、いつも『今、ここに生きている』姿です」
※「柔侠伝」の侠は旧字が正式表記。(コミックナタリー様より抜粋)