熊本県合志マンガミュージアム


私は鹿児島の生まれですが、熊本には強い愛着があります。
熊本は今も私の「第二の故郷」だと自負しております。
約半世紀前、私は『週刊漫画アクション』で
『現代柔俠伝』を連載しました。
作中のヒロイン・吹雪茜は
雄大な阿蘇の麓に広がる酪農家の娘として登場します。
私のキャラクターの中でも屈指の人気を博した
彼女の故郷を熊本に定めたことが、
この地との大きなご縁のはじまりでした。
主人公の柳勘一もまた、
熊本市内の鎮西高校に通い、日々柔道の稽古に励みます。
昭
和30年代当時、鎮西高校は
高校柔道界において勇猛果敢で全国に名を馳せており、
柔道部を率いた船山辰幸先生も
全国屈指の実力者でした。
伝説の柔道家・故木村政彦氏とは
学生時代からの良きライバルであったと聞いています。
取材を重ねるうちに私は船山先生と意気投合し、
熊本の街をご案内いただきました。
豪快さ、気高さ、おおらかさ—
そのすべてにたびたび驚かされました。
馬肉を頬張り、サッカーボールほどのキャベツを
鷲づかみにして豪快に食べるお姿は、
まるでキング・コングのよう。
人混みを歩けば自然と人が道をあけるほどの体躯と風格でした。
豪傑の先生はすでに鬼籍に入られましたが
熊本への私の思いは変わりません。
連載から半世紀を経たいまも、
作品には岡田珈琲や仏舎利塔、熊本城など、
この街に息づき続ける風景が数多く描かれています。
本展をきっかけに、作品世界の熊本をご覧いただければ、
地元の皆さまには一層楽しんでいただけるはずです。
該当作品は電子版でもお読みいただけます。
最後に、本展の実現に尽力くださった
合志マンガミュージアムの皆さま、
そして橋本博館長に、
心より御礼申し上げます。

ありがとうございました
バロン吉元